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ケーススタディ03タイトル
眺望撮影以外での個別の撮影事例を紹介するケーススタディ
セキスイハイムパルフェ ソーラーパネル撮影
■ファーストコンタクト
完成画像京都の写真家LIGHTBOXの村田臣矢氏からいただいた最初のお問い合わせメールはかなり具体的なものでした。
「住宅メーカーのソーラーパネル撮影があり、指定されたモデルハウスは道路から離れた高台にある」とのこと。
40mクラスの高所作業車での撮影を考えていたが、ロケハンの結果モデルハウスのある埼玉県蓮田市は常に風が強いので撮影の難航が予想される。
モデルハウスはセキスイハイムの工場敷地内にあり、トラックが頻繁に出入りするため作業車を設置する道路の片側1車線は確実に空けなければならないなどの条件で、他の方法を探していてクレーンカムを見つけたとのことでした。
天候予備を含めた撮影日はすでに決定しており、撮影アングルの指定やPLフィルターの取付け可否などお問い合わせは具体的内容におよび、予算が合いクレーンカムで撮影が可能なら即GOを前提としたお話しでした。

屋根の撮影はクレーンカムの特徴を活かすことのできる好例です。
・40mクラスの高所作業車に比べ、格段に低予算で撮影でき、設置面積も省スペース
・屋根面をなめるような、ギリギリまで接近したアングルが可能
・真俯瞰アングルも可能
・強風の中でも長時間かつ正確なアングル保持が可能
など、屋根を撮る上で最適な特徴が揃っています。
ロケハン画像とアングル指定図
■同業者で・・・?
当日の撮影風景最初のお問い合わせメールから本番撮影当日までわずか8日間。その間村田氏とは15往復のメールのやりとりと電話での打ち合わせ。
村田氏はわからないことはバンバン聞いてきます。またクライアント・制作側の意図を伝えようと、たくさんの資料を送ってくれます。こちらもできるだけ詳細にお答えし、撮影や安全面に関する提案もしました。
クレーンカムでは撮影の半分がこのサイトを通してご依頼いただく初めてのお客様です。当然面識はありませんし、会社名も初めてうかがうところがかなりあります。
お客様にしても「本当にコイツに任せて大丈夫だろうか?」とお思いのはず。
ですから今回の村田氏とのような濃密なやりとりは、初顔合わせまでに信頼関係を築いておく上でとても重要だと考えています。
埼玉に出発直前に村田氏からの電話。
「同業者でやりにくいとは思いますが、ひとつよろしく。」
何をおっしゃる村田さん。同業者だからこそ通ずる部分も多いし、撮影での重要なポイントもわかる。やりにくいどころかご一緒できるのを楽しみにしています。
前乗りした上尾市内での初顔合わせでは、互いの年齢・風貌が近いことに笑いながら、旧知の仕事仲間のように打ち合わせを行うことができました。
■いざ本番!・・・問題発生!!
モニターチェック今回の撮影で村田氏は地上カメラでの撮影とクレーンカムのコーディネイト。クレーンカムの発注元は村田氏の発注元でもある株式会社日本SPセンター様となります。
刺すような寒さの午前8時、工場前に集合。日本SPセンターのディレクター清久(きよく)雅司氏、井上里恵子さんら2名のスタイリストさん(美人!)と挨拶し作業開始。この日は撮影の8割をクレーンカムで行うため、村田氏と清久氏は準備が整うまでしばしの談笑。
こちらはクレーンを誘導し撮影装置のセッティング、クレーンへの取付と粛々と準備していきます。モニターにもファインダー映像の受信を確認し問題がないと判断。指定の高さへ吊るようクレーンに指示を出します。
本番撮影に向けクレーンのブームを旋回しモデルハウスを捉えたとき、モニターを見て血の気が引きました。
「ヤバイ!どうしよう・・・」
忙しく考えを巡らせましたがどうしようもない状態です。重い足取りで談笑しているふたりのもとへ。「すいません、準備はできたんですが問題が発生しました。」
お二人は機材トラブルで撮影不能を察したらしく、一瞬身をこわばらせるのがこちらにも伝わります。

「クレーンのブームの影がテラスにかかってしまいます。」
建物本体の手前に3メートルほどのテラスがあり、その先端部分にブームの黒々とした影が・・・。

ブームの影の入った画像それは全くの見落としでした。あれだけ綿密な打ち合わせをしておき、ファサードの方角・撮影時間帯も完全に把握しておきながら2月の午前9時前にどれだけ低い日光が当たるか考えてもみなかった結果です。
この日の予定はカット数も多く、午後には曇りの予報も出ていたので太陽をやり過ごすまで待つ時間の余裕はありません。
「う〜ん、なんかそんな気もしたんだよね。まぁ後から何とかしますよ。」と清久氏の一言で救われはしましたが、クレーン空撮のプロとして予見できなかったことはとても恥ずべきことです。CGで修正できるにしてもお金がかかります。結果として同じであっても「こういうことが予想されるのであらかじめCGの予算も確保しておいてください。」と事前に言えなかったことが何より悔やまれます。

さて、気を取り直し撮影開始。
最初のカット以外段取りを組み直し、ブームの影が落ちないアングルから撮影していきます。
しかし村田氏からのメールにあった通り一日中強い風が吹き続け、屋上テラスに置いた大型の植木鉢が何度も倒れ、そのたびにスタイリストさんたちが走ります。
そんな中でもクレーンカムは安定したアングルを保ち続け、今回も風に強いことを証明。
午後2時過ぎ、6アングル全159カットを撮影し終了しました。
撮影カット8点
LIGHTBOX 村田様よりのコメント
当初このソーラーパネルの撮影は日本SPセンター、清久様から私に撮影の依頼がありました。

高所作業車の選定や配置位置確認、安全面からの現場確認、そしてアングルロケハンも兼ね、撮影現場である埼玉県蓮田市にあるセキスイハイムの工場に伺うと、盆地である地元京都ではあまり感じられない強い風が吹いていました。
工場の方のお話を聞くと、どうもこのあたりは常に強めの風が吹くということでした。
今回の撮影予定コンテには真俯瞰に近いカットがあり、そのためには相当高いところから撮らなくてはいけません。さらにこのモデルハウスは道路より数メートル高台にあり、2階の屋根までの高さは道路より10m弱ありました。
そしてできるだけ建物のパースを無くした写真が欲しいという要望もありました。そうなるとワイドレンズでなく、可能な限り標準に近いレンズで撮らなければなりません。
ますます建物との距離が必要になってきます。

展示場の平面図と画角定規を照らし合わせ想定する高さを割り出すと20m以上の位置からの撮影になります。ロケハンには高所作業車を保有するクレーン会社の方にも来て頂いていて、必要な高さから最低でも40mクラスですねとなり、後日見積もりをいただくことになりました。

・強く吹く風
・高い高度

まず第一の心配は「揺れ」でした。
ブームが伸びればのびるほどますます揺れが大きくなってしまいます。
以前消防のはしご車に乗ったことがあるのですが、風はなくても揺れを感じました。

第二の心配は安全でした。
高所作業車が倒れることはまずないとは思いますが100%ではありません。
事実この撮影の後、遊園地で高所作業車が倒れ2名の方が亡くなっておられます。また建築現場でも倒れ、歩道を歩いておられた方が下敷きになり亡くなっておられます。
乗る予定の私の安全もそうですが、撮影場所は工場の敷地内です。人通りが少ないとはいえ、事故はあってはなりません。

第三はコストです。
ロケハン翌日高所作業車の見積もりを見ると40mクラスの高所作業車の1日あたりのレンタル費は高額でした。天候予備日も必要でしたので1日本番予備1日と単純に2倍です。

第四はスピードでした。
撮影日は2月。まだまだ陽が短く、予定カット数を撮るためにはそれなりのスピードが要求されます。
空中からの撮影は酒井さん、地上は私と分かれればスピードアップができますし、クレーンカムの特長である地上から絵を見ながらアングルを決められることは、高所作業車にカメラマンが乗り撮った画像を転送して確認、また撮ってよりは格段に早いと想像できました。

そこで、清久様と相談です。
「揺れ」「安全」「コスト」「スピード」この4つを総合的に考えるとクレーンカムという手段もあるのでは? ということで、即見積もり依頼です。
実はクレーンカムのことはロケハン前に清久様からこういうところがあるよと教えてもらっていました。 WEBサイトを隅々まで読み、風に強いことを確認。安全面でも人が乗らない訳ですから、落ちることはありません。スピード面でも問題なさそうです。
そして、酒井さんから届いた見積もりは予備日まで含めると
40mクラスの高所作業車+オペレーター>クレーンカム費用+クレーン車でした。
これが決定打となり、お願いすることになりました。

当日は予想以上に風が吹き、屋上の植木鉢が倒れるほどです。
そんな風が強い状況で高所作業車に乗らなくて良かったと思いながら激しく揺れるクレーンカムのモニター映像を眺め、本当に大丈夫かなと思ったりもしたのですが、上がってきた写真は不思議とまったくぶれていませんでした。

今回はクレーンカム、酒井さんに撮影を依頼して本当によかったと思っています。

LIGHTBOX http://shinyamurata.com/
■クレーンカムよりの補足
村田様よりのコメントの中で高所作業車のチャーター料金が「天候予備日も必要でしたので1日本番予備1日と単純に2倍です。」とありますが、クレーンの場合は前日午後までのキャンセルでしたら無料になる場合がほとんどです。交渉次第では夕方まで待ってくれる場合もあります。したがいましてその時間までに天候判断ができれば天候予備日分までのチャーター予算確保は必要ありません。
また今回の撮影に使用した44mまで上がれる25トンクレーンは、1日のチャーター料金が全国平均で63,000円前後(税・オペレーター料金込み)です。
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